『「種」をまく…』 川島 哲

  春スィートバジルの「種」をLaboの前庭にまいたら芽吹いたが、突然の寒さでしばらくして溶けてしまった。ホームセンターのバジルの苗に手を出しかけたが留まった。 5月に入ってもう大丈夫だろうとまいたが、これは今だに私同様に芽吹くことがない。
  3度目の5月下旬にまいた種は発芽し成長しはじめ、ホッとしているが、異常気象を恨む。兼業農夫の私はつくづく地球の未来を憂うが、今もって120円の「苗」を買おうとする誘惑に負けそうである。
  38歳からチャンスがあって、キャストパーシャルの製作コースを始めた。
それ以来1期3ヵ月、6ヵ月から今日の7ヵ月コースと継続し、合計28期。まいた種は300人(受講生)となるが、全国で散在する彼ら、彼女たちは多少の浮沈はあれども地域に根差して開花している。
種をまくことの共通項は、咲くまでの間の成長プロセスが最も楽しい。咲いたら枯れるしかない運命と知りつつ、私は人を咲かせる努力を惜しまない。

 昨年から今年度までに、5校の歯科技工学校が廃校となる。そのうち、2校(旭川、沼津)が歯科医師会立で、2校(新潟大歯学部付属、松本歯科大付属)が大学付属である。今後さらに歯科医師会立の閉鎖が増加するとある。
  高齢化による欠損補綴の増大に対応する歯科技工士の「育成」放棄は、育児放棄と変わらない。種をまかねば患者の欠損補綴への有効処置は刈り取れないとなれば、教育の現場の悩みは相当深いが、担当者たちに本質への危機感が薄く、 対応策を持ち得ない!あぁ……目の前の「種」の切れが“超”怖い。