「ルール順守を指摘する勇気」

土曜日の午後、カリフォルニア州パームデザート。プロ初試合、3日目を迎えた16歳のミシェル・ウィー(米)は7番でブッシュに打ち込んだ。 ウィーはアンプレアブルを宣言、ボールをドロップした。
2メートル以内でこれを見ていた記者のマイケル・バンバーガーはウィーが規則20-7に違反したという疑念がよぎった。 「ホールに近い位置にドロップしてはならない」という規則だ。
ウィーがホールを離れた後、マイケルはその場所を再確認した。「まるきり1歩分、近くなっている」。記者は眠れぬ夜を過ごした。「ルール違反ならば失格」。 「ルール順守がゴルフの本質。違反に見て見ぬふりをするのは、それ自体が違反行為だ」。「ウィーは違反をした。だが、インチキをしたわけではない。焦っていただけだ」。

彼はルール委員を呼んだ。最終ラウンド修了後、ウィーは委員に連れられ、ドロップを再現した。委員はドロップが30センチ以上、ホールに近いことを確認した。
2打の罰則だが、申告していないから、ウィーはスコア過少申告により失格。610万円の労金はふいになった。  彼女は泣きそうな顔で会見で言った。「ごまかそうとしたわけではない」。そして続けた。「いい勉強になった」。
事件は残念なことだが、彼女の将来を台無しにするものではない。彼らの行為をおせっかいという向きもある。

しかしマイケル記者は思いがけない支持者を得た。ウィーの父、B.J.だったB.J.はウィーがまだ若く、学ぶことが多いことを知っている。
日曜日の夜、記者室でマイケルを見つけたB.J.は近づいてきて言った。「いいことしてくれたよ、マイケル」。そして手を差し伸ペた。 スポーツ記者のルールは成文化されてないが、記者達が心に刻んでいる言葉がある。「ニュースを伝えろ。決して作るな」
 読売新聞のこの記事は錯綜する現代社会でホッとする!! どんな「職業」でも「ルール」がある。 このことを私たちは決して忘れてはいけない、そーだ「指摘」する勇気だ。