「花道とミスリード」 川島 哲

イタリアのDFマテラッツィと言葉を交わした後に、突然の頭突きでフランス主将ジダンがレッドカードで一発退場となった。 ハンドでなくヘッドでの反撃はMVPに輝くスーパースターと思えた。このことで自らの引退試合のWカップ決勝の花道を壊した事はもとより、 フランスの夢を砕いたことは間違いない。その原因は人種的もしくは家族への侮辱的なスラングを浴びせられたことによると想像される。 フランスチームは、ほとんどが外人部隊で構成されており、ジダンはアルジェリア系移民である。 その点、イタリアチームは『純粋』が適当な表現でないかもしれないが、純イタリア人で構成されている。 おそらくマテラッツィが移民のジダンについて個人的な琴線にふれる、なんらかの差別的なスラングを吐いたのだろうが、 困難なのは、サッカー少年含め世界中の子どもたちに、この暴力をどう説明するかだ。橋本龍太郎(元)総理は残念ながら亡くなられたが、 日歯連盟からの1億円受諾の『ハンド』については、最後まで「記憶にない」と言い続けた。

人間は晩年の余生を静かに送りたいと念じるが、引退の花道を失したのは寂しい。日銀の福井俊彦総裁含めて日本国のリーダーたちはミスリードが多い気がする。 ミスリードは様々な団体を浸食しているが、中央銀行総裁の今後が『花道』か、もしくは『落ち葉道』かの分かれ道は、つかまるところその人の人格で決まる。 国民から出ているレッドカードに従うべきだが、やはりミスリードでは花道はない。