時代を超えるチャイナリスク  川島 哲

日本製であることがいまだに「シンジラレナイ」のに、中国製であることの チャイナリスクは現状で更に思わぬ展開を示す。
 プレタポルテのH・Mはパリでも認められた日本人デザイナーだった。 その後一時倒産の危機に瀕し、某アパレルに吸収されて今日に至っている。
 披露宴に招かれた妻は、あでやかなピンクの衣装が気に入り、そのブランドを買い求めた。しかし、なんと式の直前の着替えでボタンがすべて外れてしまい、恥ずかしいやら困ったやらで”超”あわてた。原因はボタンに掛けるループが大きすぎたことによる。 安全ピンを借りて事なきを得たがニッポン・ブランドには大いに落胆した。 当然デパートにクレームを言うとフロアとアパレルメーカーの販売責任者が謝罪に来た。 私が、「中国で生産させてるのでは」と聞くと、責任者いわく日本と中国の両方を製造拠点にしているが、現状では日本よりも中国の方が製造レベルは高いとの答え。なぜならば繊維産業は以前から中国に生産拠点ををシフトし、その影響で国内の製造クオリティーが低下し、今さら国内生産しても熟練者がリタイヤしており製造業が空洞化してしまったのだとのこと。日本製が良いなんて思うことが、もはや時流に合わないのである。
 中国に生産をシフトし国内製造業を放棄することは、今後問題が生じた時、日本で製造すれば良いという安易な考えが、いかに空論であるかを示している。そのツケは”戻れない”という意味で世代を超えて大きい。
 6月20日、大阪市天王寺区の「オキナ」化粧品販売業が、中国から輸入し販売した練り歯磨きから、毒性のあるジエチレングリコール(DEG)が検出された。当然同社は自主回収を行っているが、出荷数は150万8800本に上る。完全回収が出来るかは心配だ。
 大阪府によればDEGが検出されたのは、同社が上海から輸入した「シャイニー」「シャイニーK」「シャイニーM」で最大値で0.86%のDEGが検出されたとある。中国発の医・歯・食・衣の危機はとうとう歯科にも及び始めた。「歯科技工」も中国にシフトしている傾向にあるが、今後安全性に問題が生じたからと言って、国内での製造、製作を求めても空洞化することで復帰出来ない。厚生労働省よ、チャイナリスクは時代を超えるのだ!

日本歯科新聞社  2007年7月3日 掲載