とうとう走りぬいた!!

(PSD)日本補綴構造設計士協会理事長 川島 哲

 ガソリンが高騰しているからというわけではないが、サイクルで東京湾まで行きたいと9月24日、葛西臨海公園を目標に出発した。入間川と合流した荒川が徐々に大きくなり、広大な河口を抜けたら海が見えてきた。川越を9時に出て4時間で60キロを走りぬいた。サイクリングロードの終点は東京湾だ。昼食をとり、すぐにUターンし、夕方の18時に帰り着いた。延べ9時間の120キロの往復ツーリングは自分の年齢を考えれば充実したものだった。これも8月のトレーニングの賜物。
 36℃は超えていたと思われる暑さの中、自宅から往復80キロの赤羽までトライした。気がついたらペットボトル(500ミリリットル)を7本補給していた。今回の東京湾までの目標達成は、様々な理由で自信になったが、その後は生きる意味での多少の辛さは苦にもならず、度胸も加味された気分だ。これからは孫を連れてディズニーランドに行くと思うが、そのたびに葛西臨海公園から見た、ミッキーのいるお城を思い出すだろう。
 さて、最近の技工界はジルコニアのCAD/CAMの一色で、11月17,18日の東京デンタルショーもそうだった。インプラントバブル崩壊後はジルコニアがターゲットのようだ。
 ジルコニアはそもそも無生物であり鉱物でもあるにもかかわらず、メタルフリーを標榜するのには抵抗がある。以前、アルミナスポーセレンやキャスタブルセラミックス、ガラス鋳造、もしくはダイコア、セレストアいずれも消滅したが、それらはメタルフリーを自負していた。あの失敗の教訓はどうしたのだろうか?アメリカではタバコが国内で売れなくなると、日本やアジアに売り込む。ニッケルがヨーロッパで排除されると、日本でニッケル床やFCで消費される。パラジウムもヨーロッパでは不人気であるにもかかわらず日本で消費される。インプラントも海外で過剰に生産されて、そのはけ口として日本が狙われる。CAD/CAMもヨーロッパだけで80社を超える企業が製造している。それらの過剰生産を日本で消費してもらおうとの一面は我々を小馬鹿にしている。少なからず踊らされる歯科技工士は冷静に判断したほうが良い。
 今、患者諸兄が望む欠損補綴は安全でメンテナンスできて壊れにくいものだ。高くとも長持ちし快適であればとのリクエストに確実に歯科界は応えるべきと思う。食品偽造や軍備利権や特殊法人への天下りやインド洋での自衛隊のF76(艦船軽油)で日本の商社A,Bが5億6千万円の不当利益を得たりと火だるま状態の日本だが、せめて歯科界すべてとは言わないが国民に”愛”を持って接したい。
 私は散ることを知りながら咲くことを恐れないし、人生で努力せず自ら倒れることを拒否する。とうとう走り抜いたと、人生の終焉で感じたい一念のために、今年を終わる。

(今回で最終回です 編集部)

日本歯科新聞社 2007年12月11日 掲載