デンタルラブ パートU(2008年・夏)

川島 哲

 ゴールドカードがステータスならば、プラチナチケットは最高切符を意味する。プラチナとゴールドは貴金属の両雄であるが、ことあるごとにシンボル化される。勝負の世界でも同様で、夏場所で琴欧州が朝青龍と白鵬の両横綱に連続、”土”を付けた。私は思わず”金星”だ!!と叫んでいたが、結局、大関は初優勝し賜杯をものにした。
 実は金は、わりかし黒子である。地味に使われているが自ら主張をしない。同様なスタンスにトヨタのクラウンロイヤルがある。私は自動車雑誌を読むがクラウンの特集はめったにないし、話題に上ることも少ない。CG(カーグラフィック)6月号にこんな記事があった・・・・・。
 「やはり今でもクラウンは”語らない車”の部類であり、誰の気にも障らないよう、主張を押し殺しているように映る。少しでも多くの人に不満を感じないでもらいたい、という”控えめな態度”は、このハードウエアのレベルに達すると、それ自体を説得力ある個性と感じられる」とあった。同じトヨタで、プリウスは走行中にディスプレイに燃費のデータが刻々と表示されるし、ハイブリットゆえに、電気モーターのアシストが逐一表示される。ガソリン使用量が満タンで1000キロ以上も走行できる実力や、エコ運転を”ドライビングプレジャー”に昇華させるトヨタはやはりすごいと思う。
 金はクラウンのように寡黙であって、その存在がステータスであるがゆえに、取りたてて、その有効性は今更ながら述べる必要はないと思う。患者さんに対しても寡黙な金は、その意味で金の能力は計り知れない可能性がある。患者さんは金を用いる事で”裕福”であるという証明がほしいのではなく、代えがたい貴重な噛み心地を求めているのだと思う。デンチャーのカテゴリーを超えて、バイオキャストデンチャーはどんな挑戦も顔色ひとつ変えずに一蹴するだけの実力を備える努力を怠らない。私は歯科界で、いわゆる白金加金(Au-PT)をベースとしてバイオキャストデンチャーを、さらに患者さんに普及させたいと切に願う。

(番外記述) 最近、ポールマッカートニーがレクサスLS600h(ハイブリッド)を購入したが、トヨタは何故か船便ではなく空輸でロンドンまで運んでしまった。空輸で消費されるレクサス1台分の航空ジャット燃料で、レクサスが地球6周できるそうだ。燃料節約の収支計算で全く意味をなさないことを、ネット上でイギリス人はトヨタを槍玉に上げている。マッカートニーは最近離婚し慰謝料を支払ったからといっての、節約とも思えない。きっとハリウッドの俳優達はプリウスの持つある種のステータス性の発想での結果だろう。私的にはジャガーを注文すれば良かったのではと思う。かつてイギリスの植民地だったインドのタタ財閥がジャガーを買収したから急に”肌”が合わなくなったのだろうか?・・・・・。
 高崎の友人が明日納車されたプリウスで”超”美味しい天然酵母パンを関越高速道を用いて持ってくるそうだ。私は宅急便で良いよと言ったが、出来たてでないと美味しくないとのことだ。楽しみだが100キロのスピードで運ばれてきた貴重なパンはさぞかし美味しいだろうが、心境は複雑だ。文明とは本当に解らない?

アサヒプリテック株式会社 貴金属事業部  2008年8月1日 掲載