●歴史問題「中国こそ恣意的解釈」

米紙論評 権力維持に利用と指摘

  中国での反日デモなどで日中両国間の緊張が高まっている問題で、米紙ワシントン・ポストは18日、「中国の選択的な記憶」と題して、中国が日本に「歴史を直視する」ように求める一方で、 自らは権力維持のため恣意的に歴史を解釈していると指摘する論評を掲載した。

  筆者は、かつて同紙の北東アジア総局長(東京)を務めたフレッド・ハイアット論説面担当部長。「中国では歴史解釈はひとつしかなく、変わるのは共産党がそう決めた時だけだ」と前置きし、 日本では、教科書問題などをめぐり「新聞や雑誌、大学の場で、開かれた議論が行われている」現状と対比した。

  さらに、中国の教科書が、3000万人が飢饉などで命を落としたとされる毛沢東の大躍進政策の失敗には全く触れていないことや、天安門事件については「(共産党)中央委員会が適時に対処し、 平静を取り戻した」としか記述していないことなどを紹介。 「権力維持のため歴史を利用する独裁体制では、開かれた論争により歴史解釈が見直され真実に近づくという希望は持てない」と、中国の"歴史悪用"を批判した。

  さらに論評記事は、中国共産党が、「アジアで先導的な役割を果たす上で、日本を便利な悪役に仕立て上げる」以前には、ロシア批判を自己正当化の道具としていたと指摘し、「来年は米国の番かもしれない」と警鐘を鳴らしている。

  一方、同日付のロサンゼルス・タイムズ紙社説は、「中国は日本が帝国主義に戻らないことを知っており、歴史問題は日本を威圧するためのこん棒」との見方を示した。 その上で、「共産党指導部を最も当惑させるのは、日本による真の謝罪」であり、日本は過去の清算に踏み切れないことで「敵の手に落ちている」とする論旨を展開した。

2005年4月19日(火)発行 朝刊読売新聞より転載