捨て猫を見つけ命の重さ考えた

主婦 石川 綾乃 40(横浜市)

私の家は小さな青果店を営んでいます。今年2度、捨て猫を見つけました。夜のうちに誰かが猫の入った箱を、そっと店先に置いていくのです。 いずれも、生後2、3か月くらいで、数匹が身を寄せ合って箱の隅で鳴いていました。仕方なく、飼い主さがしを始めました。
「ここの八百屋は猫も売るようになったのかい?」と冗談を言う人もいました。それでも、たいていは親切な人にもらわれていき、ホッとしました。 しかし、かわいいからと家に連れて帰った子が、親から言われたのか、「やっぱり飼えない」と返しに来ることもありました。

驚いたのは、「猫をレンタルしたい」と言ってきた子供がいたことです。「公園に連れて行って遊ぶから、土・日曜日だけ飼いたい」と言って、いつの間にか、猫を連れていってしまったのです。
猫を返しに来たときには店が閉まっており、そのまま、外に猫を置いて帰ってしまったようです。その猫は行方不明になりました。 1年の世相を表す「今年の漢字」に「命」が選ばれました。その子には、「命を軽々しく考えないで」と言いたい気持ちです。

読売新聞 2006年12月21日掲載