人生相談 心療内科医海原淳子 ■障害に近所の子が好奇の目
 40代女性。いじめ思い出し胸痛い。

40代の女性。子どものころから障害を持っています。昨年引っ越し、マンション暮らしを始めました。
先日、エレベーターの前で小学生数人と会いました。「怪しい人発見!」と大声で男の子。別の兄弟が私と一緒にエレベーターに乗ると、兄は「守ってあげる」とかばうように妹の前に立ちます。 「怪しい人物」と思われながらも、見ていてかわいいと思いました(笑)。私はほほえみながら2人が降りる階を尋ね、ボタンを押してあげ、自室のある階で「さよなら」と言って別れました。

これまでの人生、街角などで何度も好奇の目を向けられましたが、その都度「まあいいや」と思うようにしてきました。中学、高校、大学、職場では、多くの友人、先輩・後輩に恵まれました。 今の地にも優しい人はたくさんいます。
でも、あの子たちに会って、小学校の時のいじめを思い出し、胸が痛くなりました。今も子どもは苦手です。あの子たちが憎いわけではありませんが、今後このような場合どう接したらいいのか悩みます。

(東京・W子)

美しい字で記されたお手紙を読み、一緒に泣きたくなってしまいました。
そんな気持ちになるのは私だけでないはずです。大変な人生を、勇気をもってきちんと生きていらっしゃったのですね。 自分に好奇の目を向ける相手を憎むことなく、人をうらやんだり、人生をのろったりしないあなたにあたまが下がります。

特にユーモアを交えて語られた内容にあなたの人間性の豊かさを感じました。子ども、大人を問わず、人の外見しか見ようとしない人、自分と違う相手を受け入れられない人がいます。 つらいですね。そんな時、あなたを応援している人もいることをぜひ思い出して下さい。
あなたが小学生に対して取った態度は完璧で、彼らの「怪しい人」は「優しい人」に変わったはず。そんな“優しい波”を周囲に少しずつ伝えることで、あなたの味方も増えてくるように思います。あなたのすばらしさに気づく人が増えるよう祈っています。

読売新聞 2007年1月15日掲載