聴覚障害者たち 音楽ライブ

都内で7月 リズム、響き体感し表現

 ロックやポップス・ラップなどの音楽を楽しむ聴覚障害者が少しずつ増えている。
 音が聞こえにくくても、音響やパフォーマンスなどを工夫することで、リズムや響きを 全身で感じ、楽しむことができるという。
7月7日には東京都内で耳の不自由な人たちが国内外から集まり、演奏を披露するライブ 「サイン ソニック'07」が開かれる。
東京・八王子市の貸しスタジオ。男女3人グループの「エヌ・スタイル」が歌と手話の練習をしている。
テクノ、ダンスダ系といわれるテンポの良い音楽に合わせて全身を動かし手話と歌で表現する。
 3人は東京都立立川ろう学校の卒業生だ。
 耳やのどに障害があるが、パソコンを使って作詞作曲もする。
 リーダーで同市在住の会社員、原伸男さん(30)は、「聴覚障害者の多くが音楽はつまらない、 興味ないと言う。でも、耳に障害があっても音楽は十分楽しめます」と話す。
 原さんは、生まれつき耳が不自由で補聴器が欠かせないが、幼稚園児の時、ラジオ力セットのスピーカーに 耳を押し当て、歌謡曲を聴く楽しさを知った。
 中学ではエレキギターやベースを独学。20歳になってからは仲間とバンドを作ってライブを開くなど、 常に音楽と親しんできた。
 原さんの場合、特に低音が聞こえにくいが、ドラムやベースなどの音量を上げれば直接リズムが 体に響き、音を体感できるという。
 「聞こえる人と聞こえない人が一緒になって音楽を楽しめる場を作りたい」。
そんな思いで、聴覚障害者が舞台に立つライブイベントを企画した。
 「サイン ソニック」には愛知県立名古屋聾学校のOBで作る「ブライト アイズ」や 仙台出身のろう者4人組「フリーダム」など音楽仲間計7組に出演を依頼。
 フィンランドでプロとして活躍する、ろう者ラッパーグループ「サインマーク」も招待する。
 当日は、約350人が入るライブハウス「初台ザ・ドアーズ」(東京・渋谷区)を 借り切り、音楽を全身で感じられるよう、音響を工夫する予定だ。
 開催には約140万円の費用がかかるが、スポンサーが見つからず、赤字必至の情勢という。
 しかし、原さんは、「一体感を味わえる場を実現させたい」と話している。
 ライブは午後3時開演。前売り3000円。
詳細ははホームページ
http://hw001.gate01.com/nobrin/signsonic/index.html

讀賣新聞 2007年5月21日掲載