肩たたき券 まだ使えるかな

 茨城県取手市・柿沼 恂子 67歳
8歳の男の子と5歳の女の子の孫が、誕生日のプレゼントに、私の顔を描いた絵を持ってきてくれた。
 居間の壁に飾って眺めていたら、娘が11歳の時に私にくれた誕生日プレゼントのことを思い出した。  わら半紙を小さく切った「肩たたき券」10枚と「お手伝い券」5枚で、「昭和55年4月3日からずっと使えます」と書いてあった。
 同じ年の母の日にも、100回分の「肩たたき券」と、10週分の「おつかい券」をもらい、「なくなったらまた作ります」と書かれた手紙も受けとった。
 私は肩たたきを券を2枚使っただけで、後はもったいなくて使っていなかった。
 今でも券は残っており、「ずっと使えます」と書いてあるのだから、これからでも使えるかな。
 でも夫と息子からは「その時に使ってこそ感動することでしょう」と言われそうだし、娘からは「えー、私こんなに字が下手だったっけ」としげしげと眺められそうだし。
 私の感傷とは別の次元で盛り上がりそうなので、また引きだしにしまった。

讀賣新聞 2007年5月21日掲載 ぷらざ より