参議院選挙を終えて
中西会長の自主的な退陣望む

歯科技工士 御崎 勝雄

参議院選挙が終わり、社団法人日本歯科技工士会会長兼日本歯科技工士連盟会長の中西茂昭氏は2度の挑戦でも落選した。中西氏は選挙期間前から広く政治活動を行って演説をしてきたが、その中に不適切なものがある。国政選挙候補者として、公の場の度重なる発言は見過ごすことが出来ない。その内容を演説録画の中から抜粋する。
 「勝てば状況は変わります。私は言います。1千億円もの詐欺にも近いお金はいったいどうしたんだ。20年間で2兆円、これだけの国民の大資産をどうして分かっていながらきちっとした対応をしなかったんですか。政治家の皆さん、さらには行政の皆さん。あなたたちの犯した罪はそれほど大きい。そういうものだということを知りなさい。ということを必ず言います。本来ならば4500億円届けられなければならないのに3500億円しか届いていないのは周知であります。どこかで水漏れを起こす、あるいは蒸発する、さらには盗まれる。こんな状態が起きているのが現実なんです。1千億円、今、4万人相当が仕事に就いているのです。1人あたり年間250万円、月20万円、それだけピンハネされちゃあそりゃあ生活が苦しいです。メールが来ました。ご主人が亡くなった。過労死ですよ。余りにも安い技工料で数をこなさなければ家族を守っていけない。2、3日の徹夜から脂汗をかきながら一生懸命、そして亡くなってしまうと言うような情けない痛々しいことが起きているのが事実であります。1千億円の、詐欺、泥棒、さらに加えて犠牲者まで出している」
 以上の内容が選挙期間中の遊説の中にあった。歯科技工士の窮地を訴える熱意は理解できるが、政治家、行政、得意様である歯科医師に対して、このような主張は誤っており、法的にも社会常識からも正当な主張とは言えない。保険点数から、実際の取引されている技工料金を推定し、勝手にはじき出したその差額分を、詐欺、泥棒、ピンハネなどと発言することは過ちである。あきらかな名誉毀損で、政治家、厚生労働省、歯科医師会は告訴が出来る事案かもしれない。
 また、毎日新聞による全候補者統一アンケートについて、その中から注目される重大な部分があった。これは公式記録として公開されされ永久保存されるものだ。

 問 日本の核武装についてあなたはどう考えますか。
 ----今後の国政情勢については検討すべき。

 問 憲法を改正すべきだと思いますか
 ----改正すべきだ。

 問 憲法9条を改正すべきだと思いますか
 ----改正すべきだ。

 問 現憲法下で集団的自衛権の行使は認められると思いますか
 ----認められる。

 問 憲法9条と自衛隊の関係についてあなたはどう考えますか
 ----専守防衛を前提に自衛隊の保有を憲法に明記すべきだ。

 問 貧窮層の増加が指摘されています。所得格差が拡大していると思いますか
 ----思わない。

 今後の日技運営は対外的にも組織内部においても大きな課題を抱えてしまった。国政選挙内の発言等は、今後どのような広がりになるか計り知れず、技工士会会員への影響も大きい。このようないくつかの選挙中の問題を勘案して、8月31日に開かれた日本歯科技工士連盟評議会においては、一部の評議員から緊急動議として「執行部に対する勇退勧告決議案」が提出されたが、総数60の内、賛成15で否決され、内部浄化は出来なかった。
 問題が拡大しないうちに、敗戦の責任を取って中西茂昭会長による自主的な早期退陣が望まれる。人事刷新による新執行部が発足すれば、社団法人日本歯科技工士会としての救済される道も残されるだろう。

日本歯科新聞 2007年9月25日 掲載