泣き癖が治らない
感動して涙、怒って涙、周りの目気になる

(埼玉・T子)

30歳代女性教員。結婚して子どもが3人います。
 私は幼いころからよく泣く子どもだったのですが、いまだにそうなのです。ドラマや映画に感動してよく泣きます。
 子どもをしかりながら涙が出てくることもあります。子どもたちには「怒られているのは僕たちなのに、なぜママが泣くの?」と不思議がられます。夫と口げんかしたときも、言いたいことを伝えようとしているうちに、また涙。決して女の涙を利用しようとしているわけではありません。
 仕事中も、生徒たちの一生懸命な姿を見ると、涙が出てきます。
 「どうして感情をコントロールできないんだろう。周りにあきれられるのでは」と悩みます。知人に相談しても「涙もろいタイプなんだね」と言われるだけです。
 何かいい対処法はありますか。

野村 総一郎(精神科医)

ずばり、泣くことは悪くありません。悲しくて泣く、うれし泣き、悔し泣き、もらい泣き、いろいろありますが、どれも体に悪影響を与えないどころか、ストレス解消になると言っても良い。「お涙頂戴映画」というものもあって、人は泣きたいからこそ、そういう映画を見に行くわけです。つまり、涙で心が洗われるんですね。
 それでは問題点はどこにあるのか。お手紙を読むと、どうも「すぐ泣くので変に思われないか」という点を心配されているようです。泣けば確かに周りへのインパクトはあるんですが、あなたの場合、泣きじゃくって大騒ぎしたり、無理難題を言うわけではない。いわば静かな涙です。これは感情的というより、むしろ逆で、泣くことにより感情がコントロールできているとも言える。
 いずれにしろ、決して感じが悪いというものではなさそうです。知人が「涙もろいタイプ」としか言わないのも、問題視していないからでしょう。
 結論。涙がすぐ出るのは感情の爆発ではない。生理的なものですから、無理に止めようとせず、共感を呼びやすいコミュニケーションの一手段くらいに考えてはどうでしょうか。

讀賣新聞 2007年12月17日 掲載