人生案内

(東京・W男)

結婚13年目、30歳代の会社員。妻を禁煙させるための、よきアドバイスをお願いします。 結婚前から二人とも喫煙していました。しかし、体によくないし、中学生の娘にも悪い影響を与えると思い、私だけ禁煙を始めました。まもなく2年です。
 妻にも禁煙のすばらしさや喫煙の害について話していますが、「人に言われてやめたくない」とか「喫煙する権利もある」と言い返してきます。
 半年前に新居を購入しました。もちろん「家の中では禁煙」の約束。ところがこっそり換気扇の下やベランダで喫煙しているようです。においでわかります。そのたびにけんかになり、その時は「吸わない」と約束しますが、我慢できないみたいです。どうしたら、妻に喫煙の害を気付かせることができるでしょうか。

野村 総一郎(精神科医)

たばこが健康に良くないことは明かですし、確かに受動喫煙の害も指摘されている。世の流れが禁煙に向かっていることは覆いがたい事実です。
 吸ったことのない人に禁煙の苦労なんて分からない、という論理はありえても、何しろあなた自身が禁煙に成功しているわけで・・・・圧倒的説得力がある。これって、奥さんはものすごく分が悪いですねえ。「喫煙する権利もある」と言うのは、悪あがき、失礼、完全に屁理屈にしか聞こえません。
 これはどうみても、無条件降伏して禁煙するしかないでしょうが、あえて奥さんの立場で考えてみます。けんかして、その時は禁煙を約束する。第一、家の中で吸わないというルールは出来ている。それでも吸ってしまう。ここの所が大事です。奥さんは実はよく分かっていて、やはり努力してるんだと思う。それでも禁煙できない後ろめたさが、換気扇の下やベランダで吸うという行為となって表れている。これをくんであげることも必要だと思う。
 つまり、「どうして約束を破った」じゃなくて、「頑張ってるね。もう一息だ」ですね。娘さんも含めて、一家で応援する姿勢を打ち出してみてはどうでしょうか。

讀賣新聞 2008年1月22日 掲載