電車の床に座る若夫婦

大学生 細谷 奈巨 22歳(広島市)

祖母の法事が終わり、私は電車に乗り込んだ。車内は所々に空席が見られた。それなのに20歳前後のと思われる若い夫婦が幼児を連れて床に座っていた。親子は床に飲み残しのジュースのカップを置いて降りた。
 乗客が「今の若い人は・・・・・」と言うのが聞こえた。私は彼らが置いていったカップを持って降り、ごみ箱に捨てた。あまりにも非常識で見ていられなかったからだ。勇気を出して注意したかったが、恥ずかしいことに出来なかった。
 私もそうだが、人は注意されて気付くことが多々ある。あの若い夫婦も常識はずれのことをしたとは思っていないのではないか。同じ社会に生きているからこそ、言わねばならないことは毅然として言うべきだ、と強く感じた。

讀賣新聞 2008年2月11日 掲載