見知らぬ人にも気遣いを

高校生 橋爪智早希 18歳(千葉県印西市)

 「財布取られちゃうよ」
 電車の中でぼんやりと立っていた私に見知らぬ男性がこう言葉を掛けてくれた。夜の込み合う車内で、肩に掛けた私のかばんから「取ってください」と言わんばかりに財布が飛び出していたことに私は気付いていなかった。
 最近、「我、関せず」という風潮が高まっている気がする。私も気付いたことがあっても、知らない人に声を掛ける勇気をなかなか持てないことが多い。他人の私がいきなり話しかけたら不審に思うかもしれないと不安になるからだ。
 しかし、不安になるというのは自分本位の考え方だったことに気付いた。相手のことを本当に気遣っていれば、とまどうこともなく自然に声を掛けられたはずだ。「気付き」を実行に移すことこそ、今の社会に必要なことだと思う。

讀賣新聞 2008年5月13日 掲載