米の人種的偏見根深い
オバマ氏暗殺の可能性にも言及

ノーベル賞作家 レッシング氏

【ロンドン=本間圭一】2007年のノーベル文学賞を受賞した英国の作家、ドリス・レッシング氏(88)は、本誌のインタビューに応じ、この中で米大統領選に触れ、「(米国社会には)決してなくならない人種的偏見が存在する」と述べ、黒人初の大統領を目指す民主党のオバマ上院議員の戦いが、人種問題に左右されるとの見解を示した。
 オバマ氏個人について、レッシング氏は「優秀な人材」と述べ政治家としての資質を高く評価した。だが、同時に、「オバマ氏が大統領に当選したら、暗殺されるだろう」と予測、「生きていることを望む」と述べた。
 レッシング氏は、南ローデシア(現ジンバブエ)で白人が黒人を使役する人種差別の実態を見て育ち、成人後も南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃運動にかかわった。米国の人種問題にも造詣が深い同氏の発言だけに注目される。
 一方、自身の著作活動について、「もはや(執筆の)エネルギーはない」と吐露し、今後は、長編を執筆しない考えを示した。約50作品を残した同氏は、両親の苦難を描いた「アルフレッドとエミリー」(仮題)が、「最後の作品だ」と語った。

讀賣新聞 2008年6月7日 掲載