難病と闘いながら講演を続ける

北岡 幸美さん(23)

いつか体が動かなくなる日が来るかもしれない。だから、「今できることをしてほしい」と呼びかける。病気を知ってもらおうと学校などで始めた講演は、30回を超えた。
 遺伝子異常で筋肉内部に骨が形成され、関節が動きにくくなる進行性骨化性線維異常形成症(FOP)とわかったのは3歳。高校時代に松葉づえを離せなくなった。石川県輪島市の実家で闘病する今は、階段の昇降も難しい。
 痛みや恐怖と闘いながらも笑顔で語れるのは、「病気がきっかけで多くの人と出会えたから」。自分も頑張ろうと思ううち、怖さを冷静に受け止められるようになった。
 発症率は200万人に1人とされ、国内では約60万人が確認されている。4年前、ネットで知り合った患者仲間と、国にFOPの難病認定を求める活動を始めた。150万人分の署名を集めて厚生労働省に提出。昨年、難病認定されて治療法の研究が本格化した。
 夢は「親元を離れて働き、自由に遊びに出かける普通の女の子」。その日まで、笑顔で語り続けるつもりだ。

(金沢支局 川嶋路大)
讀賣新聞 2008年12月5日 掲載