話し上手になりたい50代

(滋賀・J男)

50歳代の会社員男性。妻子あり。そろそろ定年が近づいています。
 こんな相談はもう遅いかもしれませんが、悩みを聞いてください。
 私は口下手で、人付き合いも悪く、親しい友達もいません。というのも、私は相手の気持ちなど考えず、思ったことをそのまま話してしまうです。その時は気付きませんが、別れた後で思い返し、反省します。同じように行動してしまうこともあります。
 そのため、友達が少ないです。一人でいる時の方が落ち着きます。こんな自分が時々いやになり、話し上手で人付き合いの良い人をうらやましく思います。
 もう会社生活も短くなりました。最後に自分のことを人に知ってもらいたいのです。「変わったな」と思われたい。良きアドバイスをお願いします。

出久根 達郎(作家)

話し上手といわれる人は、決しておしゃべりではありません。なめらかに語らず、間を置いて言葉を発します。これから話すことを、頭の中でいったん組み立てているのです。言葉を吟味しているのですね。
 あなたは思ったことを、そのまま口に出してしまわれる。せっかちなのです。
 話し上手になるコツは、まず最初は相手の話に耳を傾けること。こちらから言葉を挟まず、笑顔で相づちを打つ。何か聞かれたら、聞かれた事柄のみについて返答し、余計なことは言わない。
 これだけを半年間ほど続けると、あなたはいつの間にか上手な話し方を会得するはずです。聞き役に徹すると、話し方のよしあしがおのずと学べます。相手がよく見えるのです。
 あなたは今まで相手を見ていなかったから、一方的なおしゃべりになってしまったのです。語りたいことが十あったら、その半分にとどめます。自分をよく見せたい、という意識があると、つい口数が多くなりがち、注意が必要です。

讀賣新聞 2008年12月7日 掲載