息子の悔し泣き

主婦 関口 理子 39 (群馬県富士見村)

先日、小学6年生の息子のマラソン大会が行われた。小学校生活最後のの大会だ。
 これまでは、学年で10位前後だったが、今回は練習で4位だったという。3位入賞も夢ではないと淡い期待を抱き迎えた当日の朝、私は「3位以内に入ったら、好きな物を買ってあげる」と言おうとしたが考え直し、言わずに送り出した。
 結果は8位だった。悔し泣きする息子を見て、もしほうび話をしていたら、それは欲しい物を手に入れられなかった悔し涙になってしまったかもしれないと思った。何かのためでなく、自分のために無欲で走った末の涙は、価値のあるものだったに違いない。

讀賣新聞 2008年12月14日 掲載