過去の関係におわす上司

東京・B子

結婚3年目の女性。働いています。夫とは仕事で知り合い、現在もお互いの会社は取引関係にあります。
 相談したいのは、私の上司のことです。実は、私は新入社員のとき、その上司に言われるままに肉体関係を持ちました。1年後に上司が結婚し、その関係は終わりました。
 私もその後、結婚し、部署も異動しましたが、現在も年に数回ほど、その上司や仕事関係の方との食事会に出席しなければなりません。それが苦痛でたまらないのです。
 理由は、上司がその席で、過去に二人が親密な関係であったことをにおわせるような発言をするのです。また私の夫を批判したり、私の結婚が失敗で不幸だと決めつけたりします。
 こんなことが度々あるので怒りでいっぱいなのですが、仕事の関係上、どう対応したらいいのか悩んでしまいます。
 過去の自分がとても浅はかでけがらわしく思えます。自分をのろってしまうのです。

海原 純子 (心療内科医)

ずいぶん卑劣な上司ですね。でも、少し客観的に考えてみてください。お互いに結婚前の関係です。あなただけが一方的に責められるものではないんですよ。
 それより、むしろ過去にあなたとの関係を持ちながら結婚し、今でもそれをほのめかす上司こそが問題です。
 毅然としてごらんなさい。あなたの心の中に負い目があったり、夫に知られたくないとびくびくしていたりすると、その恐れにつけ込んで、相手は攻撃してくるものです。
 上司は、弱い人に強く、強い相手には弱い傾向があるのでは。たとえ夫に知れたにしても過去も含めた経験が今のあなたを作り、そのあなたを夫は好きなんですよ。自信を持ち、自分の味方になってください。
 そうした心の変化が相手に伝われば、もう攻撃はしてこなくなると思います。
 過去に間違いのない人なんていないんですよ。間違いに気付き、それを修正した人が、他人を許せる心の広い人になれます。

讀賣新聞 2009年2月10日 掲載