病の父にストロー
 親切な女性に感謝

主婦 荒海 孝子 61 (福島県西会津町)

1年余り前、父が亡くなった日のことです。父はパーキンソン病でした。私は、介護で大変な母の手助けになればと思って帰省し、病院帰りの両親と駅で落ち合いました。清涼飲料水を買い、待合室で父に飲ませました。しかし、父はうまく飲めずこぼしていました。 隣にいた20歳前後の女性がチラリと父を見ていました。「ストローがあればね」と母と話していると、女性は席を立ちました。女性はすぐ戻り「これ使ってください」と売店のストローを差し出しましたのです。私と母はお礼を言い、「気が利く娘さんだね」と話しながら帰りました。その日の夜、父は亡くなりました。女性の思いやりは今も忘れません。

讀賣新聞 2009年2月19日 掲載