「一夜限り」の繰り返し

(東京・D子)

20歳代前半の女性。特定の恋人はいません。様々な男性と一夜限りの関係を持ってしまうことに悩んでいます。好意を持っている男性も、何とも思っていない男性も。要は相手は誰でもいいのです。
 私はとても寂しがり屋で、心のすき間を男性関係で埋めようとしています。流されやすく「まあ、いいか」「どうでもいいや」となってしまい、必ず後悔と罪悪感と自己嫌悪に襲われます。残るのはむなしさだけ。心も体も傷つき、「こんなこと、もうやめよう」と思うのですが、同じことを繰り返してしまいます。
 幸せになりたい気持ちはあります。一人の男性に愛され、愛したいと望んでいます。しかし逆の方向に行動してしまう。本当は愛されるのが怖いのかも。自分で自分がわかりません。赤裸々な悩みなので手紙を出すのを迷いに迷いました。でも偽りはありません。読んでいただきありがとうございました。

最相 葉月 (ライター)

さみしさを一時の異性関係で埋めようとする衝動は、人間ならだれでもあります。これまで多くの小説や映画が描いてきましたが、私は、そんなゆきずりの関係から始まる本当の恋愛もあると思っています。
 これまで会った男性の中に、もう一度会いたいと思った人はいませんでしたか。いつもと少し違う感じがした人はいませんでしたか。そうすれば、二度、三度と会いたい人が現れるはずです。素直に自分の感情に向き合うことができれば、たとえその恋が失敗に終わったとしても、あなたは昨日より豊かな人になっているはずです。  あなたの中には、男性を心の底から信じられない理由があるのかもしれません。手紙には書かれていなかったのですが、うすうす自分で気づいておられるのではないでしょうか。
 理由がなんであれ、勇気をもって手紙をくださったのです。自分が繰り返していることをなんとかして断ち切りたいという、あなたの意志を受け止めた人間がいることを忘れないでください。あなたはすでに、一歩踏み出しているのです。

讀賣新聞 2009年3月23日 掲載