一目ぼれ・・・誘えばよかった

(埼玉・K男)

40歳代後半男性。ピアノを趣味にしたいと思い、音楽関係の展示会に出かけたときにこと。会場の案内役の若い女性はとても整った顔立ちでした。20歳以上は離れていましたが一目ぼれしました。今になって、会場でもっと話せばよかった、食事に誘えばよかったのにと後悔しています。ピアノを弾くお嬢様育ちの女性と貧乏人の私とでは住む世界が違うのは何となくわかります。でも運命的な出会いだったのかもしれません。
 私は結婚したことがありません。学歴が低く、リストラされたり転職したり、社会の底辺で生きています。田舎に住む高齢の親に結婚を報告し、早く安心させたいのです。口下手な私の数少ない出会いだったのに、なぜアタックできなかったか、悔しさでいっぱいです。頭の切り替えが悪く、積極的に行動できない私ですが、今後どうしたらいいでしょうか。

増田 明美 (スポーツ解説者)

ピアノという新しい趣味に挑戦しようとするあなた、すてきですね。きっといろいろなことに興味を持ち、人一倍向上心が強いのだと思います。だけど、それ故に自分が目指すところと今の自分が比較して卑屈になっているのが気になりますね。「貧乏人の私では」とか「頭の切り替えが悪く」と、ため息をついている表情が想像できます。あなたのこんな気持ちが自分の行動を止めてしまっているのではないでしょうか。
 世の中の女性が皆、お金や学歴で人を好きになるわけではありません。一生懸命さ、誠実さや優しさなど本質的なところを見て、その人を好きになるのだと思います。あなたは、自分のいいところをどんどん伸ばして、素のままの自分を好きになって下さい。そうすれば女性への対応も自然になると思います。
 一目ぼれした女性を食事に誘わなかったことを後悔していますが、展示会で対応してくれた女性をいきなり食事に誘うのは失礼です。「運命的な出会い」だと思うことも独りよがりだと思いますよ。それよりも向上心旺盛なあなたの自然な姿を見ている女性が必ずいます。その人こそが運命の人ですよ。

讀賣新聞 2009年4月1日 掲載