美化それとも残虐
南京事件描いた映画 上海で上映会

【上海=加藤隆則】

旧日本軍が多数の中国人を殺害した南京事件を描いた映画「南京!南京!」の日本人向け上映会が23日、上海で行われ、留学生や駐在員ら250人が参加した。同会には中国人の陸川監督も参加、質疑に応じ、「戦うか、死を選ぶしかない戦争の悲劇を描きたかった」と制作の意図を語った。
 同作品は4月下旬、中国で公開。中国人捕虜を逃がし、自殺する日本人兵士を主役の一人に据えて反戦を訴えたシナリオが、「日本人を美化している」などの論議を呼び、話題作となっている。
 映画を見た上海在住の横川美都さん(35)は「日本人には普通に見ることができる作品。監督の勇気に感動した」と話した。また、会社経営の真崎英彦さん(33)は「一般の中国人が見た場合、残虐シーンだけが印象に残り、監督の意図が伝わらないのでは」と不安を語った。
 質疑の際には、日本人と結婚した中国人女性が、「この映画なら両国関係の発展に役立つ」と涙で声を詰まらせる場面もあった。
 同上映会は、上海の日本人留学生グループが、「日中相互理解の懸け橋に」との陸監督の呼び掛けに応じて主催した。

讀賣新聞 2009年5月24日 掲載