熱すぎるお茶に要注意
食道がんリスクが上昇

【イラン】「食後は熱いお茶を一杯」という習慣をお持ちの方も少なくない。しかし発がん予防の観点から、今後は控えなければならないかもしれない。やけどするほどの熱い飲料が食道がん発症リスクとなりうることが、British Medical Journal(2009;338;b929)に報告された。

喫煙率低くても発症率高い

これまでの研究で、食道扁平上皮がんの発症に喫煙と飲酒が関連していることが指摘されているが、世界でも食道扁平上皮がんの発症率が最も高い地域の1つであるイラン北部のゴレスタン州では喫煙率、飲酒率ともに低い。一方で、この地方では紅茶を常飲する習慣がある。そこで、テヘラン医科大学のMalekzadeh氏らは、紅茶の温度や飲む習慣と食道扁平上皮がん発症リスクとの関連を検討することとした。
 同白らは、ゴレスタン州の住民を対象としたケース・コントロール研究(食道扁平上皮がん患者300人、健康な男女571人)とコホート研究(健康な男女4万8,582人)により、調査を実施した。

65〜68℃で2倍、70℃以上で8倍

解析を行った結果、65℃未満の紅茶を少しずつ飲む場合と比較して65〜69℃では2倍〔補正オッズ比(OR):2.07(95%CI:1.28〜3.35)〕、70℃以上では8倍〔補正OR:8.16(95%CI:3.93〜16.91)〕と、食道扁平上皮がんの発症リスクが有意に高くなることが確認された(p<0.001)。
 さらに、紅茶をカップに注いでから4分以上待ってから飲む人に比べて、2〜3分で飲む人は2倍以上〔補正OR:2.49(95%CI:1.62〜3.83)〕、2分以内に飲む人は5倍〔補正OR:5.41(95%CI:2.63〜11.14)〕、発症リスクが有意に高くなることも示された(p<0.001)。
 3月26日付のReutersは同研究を取り上げ、「世界中で毎年50万人以上の人が食道がんで死亡しており、その大部分がアジア、アフリカおよび南米である。食道がんの死亡率は高く5年生存率は12〜31%と言われており、年齢や性別による差は見られない」と注意を喚起した。
 熱い飲料による発がんの機序はいまだ不明だが、Malezadeh氏らは「常に熱い紅茶を飲むことで喉の内側を覆う細胞が繰り返し損傷し、その傷害により発がんへ至ることが1つの可能性として考えられる」と指摘している。

DENTAL TRIBUNE 2009年6月 掲載