無事を祈って待つ祖母の気持ち理解

看護師 増淵喜代子 50 (宇都宮市)

祖母が健在だった頃、私の弟がバイクで出かける度に心配な様子だった。父が「大丈夫だから」と言っても、玄関を行ったり来たりしていた。深夜、弟が帰宅すると安心して床についていた。私は、「そこまで心配しなくても」と思っていた。
 ところが、最近、息子がバイクに乗るようになり、私も祖母の気持ちが痛いほどわかるようになった。
 出かける息子に「気をつけてね」と声をかけると、「どうして楽しんで乗ってねって言わないの?」と笑っている。私は息子が無事に帰るまで落ち着かず、何度も窓から外を眺めている。祖母は亡くなったが、「おばあちゃんの気持ちがわかりました」と伝えたい。

讀賣新聞 2009年7月25日 掲載