「はだしのゲン」英訳 米で出版
 「オバマさんも読んでみて」

広島で被爆した少年を主人公にした漫画「はだしのゲン」の英訳版「BAREFOOT GEN」完結編となる第10巻が完成し、今秋に米国から出版される。翻訳は金沢市の市民グループ「プロジェクト・ゲン」が手がけ、第1巻が出てから5年の歳月を経て全巻が出そろう。プロジェクト代表の浅妻南海江さん(66)は、「核廃絶を掲げるオバマ米国大統領に贈り、2人の娘さんにも読んでもらいたい」と話している。
 第10巻は米サンフランシスコの出版社「ラストガスプ社」から10月、既に完成していた9巻と同時に発売される。
 作者の中沢啓治さん(70)が参加する「出版応援会」が26日、広島市で開かれる。中国やウクライナなどで、母国語訳に取り組む翻訳家も出席する。浅妻さんは「この素晴らしい作品が世界中で読まれることが願い」と話している。
 英訳は主婦ボランティアら9人が「戦争の悲惨さを、世界中に伝えていきたい」と2000年から取り組み、04年に全巻の英訳が完成。同年9月に第1巻の出版にこぎ着けた。英語版での出版では、ページの開きが逆になるために画像を反転させたり、横書きに合うようにセリフの吹き出しの大きさを変えたりするなど、翻訳完成後も膨大な編集作業が続けられてきた。

讀賣新聞 2009年7月26日 掲載