嫁と通じ合えない心

(東京・C子)

50歳代後半の主婦。息子夫婦とは同居していません。20歳代の嫁のことで相談です。
 嫁は今年初めに妊娠しましたが、私には黙ったままでした。息子が内緒で教えてくれました。その後、残念ながら流産してしまいました。嫁は流産のことも私には知らせてくれず、息子を通じて知りました。
 嫁は実家のお母さんにはこのことを話し、実家で静養したそうです。
 私は嫁を実の娘のように思って接していたので、とても寂しく思いました。しょせん、姑と嫁は心が通じ合えないものなのでしょうか。
 嫁は今でも、よく我が家に立ち寄ってくれます。私も、何もなかったように接していこうと思っていますが、心のもちようを教えてください。お願いいたします。

大日向 雅美 (大学教授)

お嫁さんを実の娘のように思うあなたはとても優しい方なのだと思います。あなたの優しさに感謝すればこそ、お嫁さんも日頃から行き来するよう心がけているのでしょう。理想的とも思えるお二人の関係を今後とも大事にはぐくんでいくには、ほどよい距離感を意識することが大切です。
 お嫁さんが流産をあなたに隠して、実家の母親を頼ったことに寂しさを覚える気持ちもわかりますが、実母とあなたとでは、これまでに築いてきた時間の長さが異なります。何もかもすべてを知らせあい、わかりあえる関係になろうと焦らないことです。互いの生活に遠慮や踏み込まない領域を持ちつつ、なお嫁を思いやることができる姑は、やがて実母に勝るとも劣らぬ存在となるに違いありません。
 翻って、実母の愛にも盲点があります。わが子のすべてを知っていたい。知っていて当たり前、なぜならこんなに愛しているのだからと信じて疑わない母の愛を重荷と感じて苦しむ子どもも少なくありません。今回の一件は、お嫁さんから隠し事をされて寂しく思うあなたの心に、もしかして同じ盲点が芽ばえてはいないか、チェックする良い機会かもしれませんね。

讀賣新聞 2009年8月12日 掲載