夫の浮気 忘れられない

(東京・M子)

40歳代主婦。夫が4年もの間、浮気をしていたことが昨年、わかりました。大恋愛の末に結婚し、夫をまじめで優しい人だと信じていただけに、その衝撃は大変なものでした。離婚するしない、生きる死ぬなどの騒動の後、夫は私を選んでくれました。
 ただ、相手の女性は夫との関係に本気になって、我が家のすぐそばにマンションを購入するほどの入れ込みようだったので、別れるのには時間がかかりました。今はきれいサッパリ別れてくれたと確信しています。
 夫は私に許しを求め、私は許すと言いました。でもつらいのです。楽しいことがある時は忘れていますが、ふとした瞬間に、「夫は何食わぬ顔をして私を裏切っていたので」と思ってしまい、涙が出ます。
 結局、許してなどいないのでしょう。心の中では、相手の女性が不幸になればいい、というドロドロした感情でいっぱいです。それでも、夫に対する愛情はまだ残っています。この先、どうやって生きていけばいいのでしょうか。

海原 純子 (心療内科医)

夫と共に生きていくことを決めたけれど、彼を許せなくてつらいんですね。当然ですよ。夫を許そうとする前に、まずあなたがしなければならないことがあります。それは、心の傷を治すことです。
 ケガをした時、どうしますか。傷口を清潔に保ち、安静にしてきれいな空気を吸い、栄養のある食べ物を食べるでしょう。心の傷も体の傷と同じです。大事にしてあげましょう。
 夫のそばにいて、毎日嫌なことを思い出し、ドロドロした気分でいては傷は治らない。しばらく心の安静を保てる場所に旅行に行き、いい気分で過ごし、自然の中でのんびり過ごしてごらんなさい。費用は夫に出してもらうこと。そのくらいはしてもらわなければなりません。
 心の傷も体の傷と同じように、すぐには治りません。しかし、自らの心をいたわり、時間をかければ治ってきます。傷が治るにつれて、相手を許せるようになるはず。優先順位を変えて、元気を取り戻してください。

讀賣新聞 2009年8月16日 掲載