水抜き忘れ破裂

無職 藤沢 豊 75 (札幌市)

40年以上前、まだ自家用車が少なかった時代の真冬のことだ。我が家も必要に迫られ、なけなしの給料から無理して中古車を買い、通勤に利用した。
 車庫はなく、不凍液を買う余裕もなかった。エンジンやラジエーターの冷却水は夕方の帰宅時、水抜きすることを日課にしていた。
 ところが、ある日、これを忘れてしまった。いつものように朝、ボンネットを開けたら、何とエンジン、ラジエーターが凍結のため破裂していたのだ。一生の不覚だった。大きな出費をして買い替えたことが忘れられない。遠い昔の苦い思い出だ。  

讀賣新聞 2009年10月4日 掲載