金191トン市場売却開始へ
 相場混乱回避で段階的に

【ワシントン=御調昌邦】

国際通貨基準(IMF)は17日、自らが保有する金191.3トンを市場で売却し始めると発表した。金売却は途上国支援のための原資確保が目的で、これまでは各国中央銀行に売却してきたが、今後は市場売却に移行する。金相場の混乱を避けるため、市場売却は「時間をかけて段階的に実施していく」としている。
市場売却する方針を示した金は、17日の市場価格換算で約69億ドル(約6300億円)に相当する。市場売却の開始時期は「間もなく」としており、具体的な日程は明らかにしていない。
 IMFは昨年9月に金403.3トンを売却する方針を表明し、第1段階では中央銀行などの公的部門を対象とした。11月にはインド準備銀行(中央銀行)に200トンを売却すると発表。その後、モーリシャス(2トン)とスリランカ(10トン)の中銀にも売却するとした。
 昨年9月時点で、第2段階として市場売却する方針も打ち出していた。これまでは世界の公的部門内の金の移動だったが、今後は金が市場に出てくることになる。IMFは市場への影響を最小限にとどめていたい考えだが、これまでよりも市場の需給に影響を与える恐れがある。ただ、IMFは、今後も中銀などへの市場を介さない売却を排除しないとしている。

NY金が急落 一時1105ドル台

【NQNニューヨーク】
17日夕のニューヨーク商品取引所(COMEX)の時間外取引で、金先物相場が急落した。取引の中心限月である4月物は一時1トロイオンス1105.1ドルと、日中取引の終値を15.0ドル下回る水準まで売られた。IMFが保有する金を近日中に市場で売却すると発表し、需給が暖むとの懸念から売りが優勢になった。
東京市場でも金先物が反落

国際通貨基金(IMF)の金売却が伝わった18日、東京工業品取引所の金先物相場は7営業日ぶりに反落した。取引の中心の2010年12月物は、午前11時時点で前日比33円安の1グラム3232円。ニューヨークの時間外取引の下落を映した。
 三菱商事フューチャーズの菅田修司氏は「ニューヨーク市場で下落幅が広がるようだと国内でも下値を切り下げる」とみている。
 東京市場は為替相場がドル高・円安傾向のため下げ幅が圧縮されている面もある。

日本経済新聞(夕刊) 2010年2月18日 掲載