育児中の同期に嫉妬

(東京・M子)

30代未婚女性。厳しい受験戦争を乗り越え、資格試験を突破。やっと手に入れた職で必死に働いていますが、同期の女性への嫉妬心で苦しんでいます。
 彼女は保育園のお迎えがあるし、子どもの発熱で早退や欠席することも頻繁。育児との両立は大変なのだろうとは思いますが、ミスばかりして私が終始末することも。けれども彼女は明るいキャラクター。上司は「仕方がないね」というだけで強くは怒りません。
 私もそろそろ結婚して子どもが欲しいのですが今は恋人もいません。彼女は子どもや夫の話をしていつも楽しそう。適当に仕事をこなしてきた彼女が勝つ組で、必死で頑張ってきた私が負け組---。このままパートナーが見つからず一人で死んでいくのだろうか、などと考えてしまい、眠れません。

大日向 雅美(大学教授)

人はとかく自分にないものを持っている人にあこがれますが、自分の立場の近い人となると競争心をあおられたりするようです。子どもの頃から一生懸命勉強し、難関の資格試験を突破して活躍しているあなたが、同僚の女性を嫉妬するのは、ないものねだりの心理と言えばそれまでですが、誰もが持っている人間の弱さと言えましょう。
 同僚の女性の生活を冷静に分析してみてください。けっして気楽に仕事をしている訳ではないことがわかるはずです。子どもが小さい時は急な発熱などの病気は日常茶飯。その都度、早退や欠勤をせざるを得ないつらさは、やがてあなたも結婚し、母となれば経験することと思います。育児のために仕事が中途半端にならざるを得ない彼女を批判するのではなく、むしろ協力してあげてください。この世は支え・支えられてお互いさまです。互いの利点を生かし、弱点を補いあう気持ちで接すれば、いつかあなたも周囲の人に助けられることでしょう。
 人生には基本的に勝つ組も負け組もないと私は思います。常に自分を謙虚に見つめ、足りないものを補う努力を惜しまない人が、自他共に優しい心配りのできる「人生の達人」となるのではないでしょうか。

讀賣新聞 2010年4月18日 掲載