嫁に無神経な発言 悔やむ

(和歌山・A子)

50歳女性。夫と2人暮らし。最近孫ができ、息子夫婦の家を1〜2か月に一度、訪ねるようになりました。いつも大量の紙おむつや洋服を買っていきます。
 先日、自治体の子育て支援行事に参加した嫁が、「子どもの古着をもらってきました」と私に見せました。その時のことは、よく覚えていないのですが、私はその古着にけちをつけたらしいのです。後で夫から、「いい物もらってきたね、というだけでよかったのに」と指摘されました。
 確かにデザインもかわいらしく何も文句を言う必要はなかった。口の悪さが悔やまれてなりません。翌日、長文のメールで謝りました。すぐに嫁から「考えすぎですよ。全く気にしていませんから」と返信がありました。でも、これまでも様々な場合で嫁を傷つけていたのではと申し訳なく、毎日もんもんとしています。若い頃、姑に傷つけられたことはいまだに許せないでいるくせに、嫁に対してはこんなに無神経だなんて。嫁にどうやって償えばいいのでしょう。

出久根 達郎 (作家)

優しくて素直なお嫁さん。そして、やはり優しくてまじめなお姑さん。あなたたちは、うらやましいほど理想的な、お似合いの「おやこ」です。
 人生相談とは無縁の家庭なのに、どうして?と思ってしまいます。でも、これが人間関係の複雑なところなのですね。いい人同士なら、うまく行くはずなのに、となくギクシャクしてしまう。誰にも思い当たることです。要するに、気を使いすぎるのです。
 時にうっかり相手を傷つける言葉を口にしてしまうことは、人間ですからあります。謝って、次からは同じことをしなければよいのです。それが一番確かなおわびになります。いつまでも過ちにこだわっている方が、相手に失礼です。お嫁さんの返事を信用せず疑っている、と取られます。
 いい人同士は、とかく小さな誤解で仲たがいをします。お互いに、あまりにも相手をいたわりすぎるのです。それにしても、優しい夫が注意してくれて、よかったですね。

讀賣新聞 2010年4月22日 掲載