割り勘で食べ放題の知人

(栃木・K男)

ボタンティアサークルに参加している40代の男性です。月に1回、サークルの会合で集まるのですが、メンバーの中で1人だけ困った男性がいるので、ご相談します。
 会合には夕食の弁当が出されます。みなは食べますが、男性1人だけ食べずに、その弁当を自宅に持ち帰ってしまいます。
 会合が終わると、メンバーは一緒に居酒屋などに出かけ、情報交換しながら親睦を深めるのが流れです。
 その男性は、一度自宅に帰って弁当を置くと、また居酒屋に戻ってきます。他の人は弁当を食べた後なので、ビールに軽いおつまみ程度で済ませますが、その男性は、つまみを好き放題に注文して、むしゃむしゃ食べています。それで帰る時には割り勘なのです。
 ほかのメンバーは、その男性より年下なので注意ができません。男性の品格を更生させるよい方法はないでしょうか。

高橋 秀美(作家)

その人の「品格を更生させる」前に、何が問題なのか、今一度よく考えてみてください。文面には食べ物のことしかありません。あなたは彼の食い意地に我慢がならない、ということなのでしょうか。
 世の中にはもっとすごい人がいます。私の知り合いにも会議用の弁当を二つ持って帰る人がいましたし、居酒屋で散々飲み食いした挙げ句、お勘定になると姿を消す人。さらには幹事と称してみんなから現金を徴収し、自分のクレジットカードで決済してカードのポイントを稼ごうとする人までいました。
 それに比べれば、彼の行動には酌量の余地が十分にあります。弁当を持ち帰るのは、家で待つ誰かのためかもしれません。居酒屋で「むしゃむしゃ」食べるのも、生活が困窮しており、この会合を栄養補給のチャンスだと思っているのかも。
 ここはあたたかく見守ってあげるべきではないでしょうか。それこそボランティア精神を発揮して。
 いずれにせよ、彼の食べ物のことは問いたださないでください。あなたが怒るように食べ物の恨みほど根深いものはありませんから。

讀賣新聞 2010年7月10日 掲載