同期の出世ねたむ自分

(神奈川・W男)

50代前半の男性社員。昇進していく同期入社の仲間を喜んであげることができません。
 私も最近まで昇進を続け、そこそこのポジションまで出世することができました。でも昨年になって、出世街道のラインから外れてしまいました。
 同期の中にはまだこのラインに乗って、さらなる昇進をしていく者がいます。そんな彼らに対してねたむ気持ちが強く、不幸を期待する人間になってしまいました。そんな自分が大嫌いで、日々自己嫌悪に陥っています。
 私はなぜ、同期のことを喜んであげることができないのでしょうか。また、どうしたら喜んであげられるような人間になれるのでしょうか。
 そしてこの先、どんな気持ちで残り会社員人生を送り、さらにその先の老後を過ごしていけばいいのでしょうか。いろいろ悩んでいます。どうかよいアドバイスをお願いします。

出久根 達郎 (作家)

同期入社の者の出世が、ねたましい。これ、だれもが持つ感情です。他人がこける姿は、痛みを覚えないから、ゆかいなものです。人の不幸は蜜の味、とことわざにあるくらいです。昔から変わらない。
 そんな自分が嫌になる。これまた皆同様であります。それでは、どうしたら自己嫌悪に陥らずにすむか。だれもが考えました。
 考えて考えて、自己改造に成功した者が、つまり、出世街道を進む人間になったのだと思います。あなたも人の意見を聞く前に、考えることです。どうしたら人の喜びを喜べるか、考えて考えて考えぬくことです。
 一つヒントを示します。ねたむ感情は、相手の能力と自分のそれを比較することで生まれるます。やきもちを焼くのは、大抵、同世代の者に対してなのも、能力はそんなに差異は無いはず、という自負があるからです。本当は歴然とあるのに、そうは思えないのです。
 ねたまない人間になりたいなら、自分の身の程をわきまえればよい。分を知る事です。


讀賣新聞 2012年6月26日 掲載