補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  その K「大審院判例と医歯二元論」

内藤 達郎

「人の依頼に応じ、ゴムを以てその歯牙脱落部の型を作るは、如何なる義歯がその人に適応すべきかを診療するを以て、かくのごとくして作りたる型により、義歯を作り、以て入れ歯となすは、その性質上歯科医業に属するものにして単に入れ歯に要する原材を製作するにすぎざる入歯細工職の業務に属せざるものとす」

 また大正5年には、「歯牙に疾患なきに拘らず、単に装飾の目的にて金冠を施し、又は金 隙歯を嵌入するごとき行為といえども、その手術方法の当を得ざると否とは歯牙の健全に 影響を及ぼすべきは当然なるを以て、これらの行為も又歯科の範囲なり」とある。

 このことは、従来の口中医と入歯細工職との共存状態からの終焉を意味し、明治以降日本に入ってきた西洋医学の中に「歯科医業」を組み込もうとして、歯科技術師の誕生を是としなかったということである。つまり、「歯科医業」の中に歯科技工業務を組み込むことにより、「医業」と「歯科医業」という二本立てに集約しようとする行政の意図がうかがえる。これにより「医歯二元論」が固定化されることになり、「医籍」と「歯科医籍」という二重構造が医療界の自己矛盾として内包されたまま現在に至っている。

 参考までにここにひとつの「疑義解釈」を紹介する。医師法第17条の「医業」と歯科医師法第17条の「歯科医業」との関係に関し、若干疑義があるようであるが、抜歯、う蝕の治療(充填の技術に関する行為を除く)歯肉疾患の治療、歯髄炎の治療等、所謂口腔外科に属する行為は、歯科医行為であると同時に医行為でもあり、従ってこれを業とすることは、医師法第17条に掲げる「医業」に該当するので、医師であれば、右の行為を当然なし得るものと解されるから右御諒承の上然るべく指導せられたい。(昭和24年1月21日 医発61) とある。行政がこの趣旨に沿って指導したことは言うまでもない。

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