補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  そのP 「法の解釈 1 」 

内藤 達郎
(PSD)日本補綴構造設計士協会 相談役(法律)

法とは解釈を通じて「これが法だ」といわれたところのものが法である。法はそのかぎりでは論理の体系である。その論理的道筋こそが、人間の恣意や主観を排除した客観的ルールとして拘束する。この論理が崩れると、ソクラテスのいう「悪法もまた法なり」が闊歩することになる。法律が解りにくいのは、法律の解釈に正解がひとつではないということである。これは「正義」とは何かが一つではないということに基づいている。法律解釈は条文の意味の論理の確定であるといっても、文章の意味を広義にも狭義にも解釈することができる。これらは文理解釈、拡張解釈、縮小解釈、類推解釈、限定解釈、反対解釈などといわれていてその解釈は多岐に渡っている。

 なぜひとつの言葉から解釈の対立が生まれるのか? それは解釈する人間の正義感が異なるからである。法解釈とは正義と論理を結びつける人間の営みである。正義が変われば論理の道筋も変わる。法解釈の争いも基本的には価値判断をめぐる争いである。解釈者は立法者が法律を作ったときの条文の意味を前提にしながらも、みずからの価値判断に基づいて評価し、望ましいと思う意味づけを条文の中に読みこむのである。それゆえに法律解釈という人の行為は、法規の条文の意味を操作することにより、みずから主体的に「正義」を決定するという実践的作用にほかならない。

 複数の解釈のなかから、一つの解釈を選択する主体的決断には責任が伴うはずである。法律家は法の名において責任を回避してはならない。「裁判は法律家のゲーム」という汚名は返上しなければならない。法解釈が解釈者の価値判断にかかわるといっても、主観的かつ恣意的なものであってはならない。なぜそういう解釈をとるのかということが、論理的に解るように説明されなければならない。
 次回は「歯科技工士法の解釈」をさせていただきます。

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