補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  そのQ 「名誉毀損と不法行為」 

内藤 達郎
(PSD)日本補綴構造設計士協会 相談役(法律)

歯科技工士にとって名誉毀損の成立要件など日常生活からすれば縁遠い分野ではあるが、非日常とは言えない状況になりつつある。名誉毀損とは、他人に対する社会的評価を低下させる行為をいうが、単なる個人的な名誉感情の侵害だけでは名誉毀損にはならない。

 名誉毀損は、民事上は不法行為(723条)になるとともに、刑事上は名誉毀損罪(230条)を構成する。どのような場合になるかは両者の違法性との関係で問題になる。名誉を毀損しても、それが公共の利害に関する事実にかかり公益を図る目的であれば、その事実が真実であるとの証明がされれば、不法行為にも名誉毀損罪にもならない。

 ある社団法人の不正経理を監事が告発した場合などがこれにあたる。報道記事はその事実が真実であれば原則として民事・刑事上の責任は生じない。ただしプライバシーに係る過度な記事などは、公益を図る目的とはいえず不法行為および名誉毀損罪が成立する。名誉を毀損した者に対しては、被害者は財産上の損害賠償および精神的な損害賠償(慰謝料)を請求することができる。

 名誉毀損罪は人が社会的に持つ評価(名誉)を傷つける犯罪であり、その表示の方法は口頭でも、ビラや立札に書いても、新聞に載せてもよい。身ぶり手ぶりで示す場合も、それが具体的事実であれば成立する。死者に対する名誉毀損は、事実を指摘する限り罪にはならないが、生存者に対しては、たとえ指摘された事実が公知のものであっても罰せられる。刑は3年以下の懲役もしくは50万以下の罰金である。なお、本罪は被害者が告訴しなければ処罰されない。これを親告罪という。

 虚偽の風説を流布し業務を妨害する「業務妨害罪(233条)」は、不特定人にデマを飛ばして業務(人が職業として継続して行なうこと)を妨害することをいう。また、「あの会社は赤字続きで倒産も近いだろう」とか「登録商標を不法に所得した」などとして、信用を失墜させるような場合は「信用毀損罪(233条)」が成立する。この場合、信用が失われるおそれがあれば、それだけで成立する。いずれも刑は名誉毀損罪と同じとなる。

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