補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  その26 「歯科技工所とは何か」

内藤 達郎
(PSD)日本補綴構造設計士協会 相談役(法律)
  早春の宮島

歯科技工士法は前述(その25)の歯科技工所の定義規定のほか、施設の面からも以下に述べる種々の規制を行なっている。
 まず法第21条には、「歯科技工所を開設した者は、開設後10日以内に、開設の場所、管理者の氏名その他厚生労働省令で定める事項を歯科技工所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない」とある。そしてこの法律の施工規則13条には7項目の定めをおいている。また法22条には「歯科技工所の開設者は、自ら歯科医師又は歯科技工士であってその歯科技工所の管理者となる場合を除くほか、その歯科技工所に歯科医師又は歯科技工士たる管理者を置かなければならない」とある。

 歯科技工所の開設者は「10日以内」という既成事実と「管理者設置」の義務違反に該当した場合、30万円以下の罰金に処せられることになっている。これは一般社会通念上「歯科技工所」の自主独立性(市民権)を保障するという観点から、当然の義務と見るべきだろう。
 次に歯科技工業務に関する禁止行為について検証してみる。法第17条1項には「歯科医師又は歯科技工士でなければ、業として歯科技工を行なってはならない」とある。これについては、無資格者は歯科技工行為をやってはいけないということであり、無資格者に歯科技工をやらせてはいけないということである。
 この法17条1項の規定は歯科技工士法の根幹であり生命線というべきものである。当然「1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(法28条)」という罰則がある。

 これらの行政解釈からしても、歯科医師・歯科技工士以外に歯科技工を再委託(下請化)することが違法であることは明らかである。ここに「補綴物の作成を海外に委託する場合について(平成22年3月31日 医政歯発0331第1号)」という厚労省の通達文書がある。
 「国外で作成された補綴物等の取り扱いについては、国外で作成された補綴物等を歯科医師が輸入し、患者に供する場合は使用材料の安全性に関する情報等について、患者に対して十分情報提供を行なうこと」
 これでは補綴物作成が資格者によるものか、無資格者によるものかが不問に帰されてしまう。現在、国を相手に係争中の「海外委託裁判」の核心はここにある。

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