補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
PSD (PSD)伝達事項 川島セミナー会場 著書紹介 セミナー 執筆記事 気になるニュース トピック ホーム

たっちゃんの関係法規
  その27 「歯科技工指示書とはなにか」 

内藤 達郎
(PSD)日本補綴構造設計士協会 相談役(法律)
  外人観光客が増えた広島平和公園

歯科技工士法第18条には「歯科医師又は歯科技工士は、厚生労働省令で定める事項を記載した歯科医師の指示書によらなければ、業として歯科技工を行つてはならない。ただし、病院又は診療所内の場所において、かつ、患者の治療を担当する歯科医師の直接の指示に基いて行う場合は、この限りでない」とある。
 歯科技工指示書は歯科技工の業務が適正に、かつ円滑に遂行されるためのものである。歯科医師の指示書に基づかないで、業として歯科技工を行なった歯科技工士(または歯科医師)は、法第32条の罰則規定により30万円以下の罰金が科されることになる。(Ex罰金は科す、税金は課す)

 歯科技工指示書はこのように単に歯科技工業務の適正化のためだけでなく、絶対的な生命線の意味合いを持っている。それは適正な記載事項を満たす歯科医師、それを受注する歯科技工士(いずれも厚労大臣発行の免許を持った有資格者)の存在が絶対条件になる。この条件が欠落すると、いかなる場合も歯科技工行為は正当化されない。これは極めて重要なポイントである。
 他方、歯科技工指示書の生命線たる意味あいのひとつは、PL法(製造物責任法)の免責基準に相当するということである。現在、日本では歯科技工業務がサービス業の範疇にあるとされているが、諸外国では「歯科医療物製造業」が一般的であることから、近い将来わが国でもPL法が適用されることになると思われるからである。

 つまり歯科技工指示書の内容を忠実に履行していか否かで、患者との損害賠償事案において歯科医師と歯科技工士の過失相殺の割合が決まることになる。現在はPL法が適用されないため、曖昧なまま歯科技工士は損害賠償の「求償権」の対象になっているのである。この場合の求償権とは、患者の債務(損害賠償)を弁済した歯科医師が歯科技工士に対して有する償還請求権のことをいう。
 ややもすれば、当事者の馴れ合いから怠惰(手抜き)に流れがちな歯科技工指示書であるが、歯科技工物の再委託である海外発注の違法性を弾劾する上からも、その持つ重要性を再認識すべきであろう。

Copyright UNIDENT Co.,Ltd. All rightss reserved