補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  その31 「通達行政の功罪について」 

内藤 達郎
(PSD)日本補綴構造設計士協会 相談役(法律)

本シリーズ「その28 法律の優位の原則」において、法律によらない「通達行政」について述べた。「海外委託技工問題訴訟」が最高裁で上告棄却になった根拠のひとつが、この「通達行政」の優位性にあった。さらに、この通達は厚労省とある業界団体の折衷案だったという報告もあるから恐れ入る。ここにひとり歩きするおそれのある、厚労省医政局歯科保健課長発の通達文書がある。その「国外で作成された補てつ物等の取り扱いについて(平成17年9月8日 医政歯発第0908001号)」を検証する。

 「歯科医療の用に供する補てつ物等については、通常、患者を直接診療している病院又は診療所内において歯科医師又は歯科技工士(以下「有資格者」という。)が作成するか、病院又は診療所の歯科医師から委託を受けた歯科技工所において、歯科医師から交付された指示書に基づき有資格者が作成しているところであり、厚生労働省では、「歯科技工所の構造設備基準及び歯科技工所における歯科補てつ物等の作成等及び品質管理指針について」(平成17年3月18日付け医政歯発第0318003号厚生労働省医政局長通知)において、歯科技工所として遵守すべき基準等を示し、歯科補てつ物等の質の確保に取り組んでいるところです。」

 この前段の部分では、歯科技工業務を狭義に規制しながらも歯科技工士法の原則論を述べつつ遵法精神「Compliance(コンプライアンス)」を確認している。民主主義の法治国家において、法は国民全体の選抜した代表が検討し作ったルールだから法に従うことが正しいとされるゆえんである。

 「しかしながら、近年、インターネットの普及等に伴い、国外で作成された補てつ物等を病院又は診療所の歯科医師が輸入(輸入手続きは歯科医師自らが行う場合と個人輸入代行業者に委託する場合がある。)し、患者に供する事例が散見されています。」

 歯科医療における保険財政改革と規制緩和の流れのなかで、厚労省が「海外委託歯科技工物」に関して、質の担保ができない点を一応危惧はしている。しかしこの流れに対して自粛すべしとせずに、むしろ解放の方向にあることを示唆している点は否めない。

 余談ではあるが、内閣府の国政モニターを委嘱されている筆者の「最高裁不当判決」報告書は受理されなかった。怒りをこめてここに非民主的な国政モニターのあり方を糾弾したい。 

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