補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  その32 「通達行政の功罪 2 」 

内藤 達郎
(PSD)日本補綴構造設計士協会 相談役(法律)
  ヒロシマ平和公園

「歯科技工については、患者を治療する歯科医師の責任の下、安全性等に十分配慮したうえで実施されるものですが、国外で作成された補てつ物については、使用されている歯科材料の性状等が必ずしも明確でなく、また、我が国の有資格者による作成ではないことが考えられることから、補てつ物等の品質の確保の観点から、別添のような取り扱いとしますので、よろしく御了知願います。」
 通達の後段のこの部分では、インフォームド・コンセント(説明と同意)を優先して歯科医師に責任を負わせ、歯科技工士には「歯科技工所の構造設備基準及び歯科技工所における歯科補てつ物等の作成等及び品質管理指針(詳細は後述)を示し、それに沿った義務を求めている。一方、海外で作成される補てつ物は使用材料が明確でない点は認めつつも、輸入補てつ物が薬事法に抵触しない「雑品」扱いを改善しょうとしていない。国はその行政上の直接責任を回避しているのである。これは怠慢以外の何ものでもない。
 さらに国内における歯科補てつ物の作成は、歯科医師もしくは歯科技工士(有資格者)に限定しながらも、付帯条件(別添)を示しそれを適切に履行することで十分としている。これはまさに国民の安心・赤全を軽視するもので、国のチェック機能を放棄した暴挙と言わざるを得ない。このたびの最高裁判決には、歯科技工士法の運用の是非については一切触れていないのである。憲法は本来国家と政府が暴走しないよう、国民を守るためのものであり、法律は社会的な生活を営むのに国民を規制もするものである。今、歯科技工士法が危うい。

 なお、その「別添」とは
 歯科疾患の治療等のために行われる歯科医療は、患者に適切な説明をした上で、歯科医師の素養に基づく高度かつ専門的な判断により適切に実施されることが原則である。
 歯科医師がその歯科医学的判断及び技術によりどのような歯科医療行為を行うかについては、医療法(昭和23年法律205号)第1条の2及び第1条の4に基づき、患者の意志や心身の状態、現在得られている歯科医学的知見等も踏まえつつ、個々の事例に即して適切に判断されるべきものであるが、国外で作成された補てつ物等を病院又は診療所の歯科医師が輸入し、患者に供する場合は、患者に対して特に以下の点についての十分な情報提供を行い、患者の理解と同意を得るとともに、良質かつ適切な歯科医療を行うよう務めること。」というものである。 この検証は次に譲ります。

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