補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  その35 「補てつ物の安全性の確保を求める意見書」  

内藤 達郎
(PSD)日本補綴構造設計士協会 相談役(法律)

 入れ歯等の歯科医療の用に供する補てつ物(歯科補てつ物)の作成等は、歯科医師又は歯科技工士でなければ業として行ってはならないことが、歯科技工士法により定められている。これは歯科補てつ物が口腔や身体に重大な影響を及ぼす可能性があるため、国として的確にその安全性を担保するためであると考えられる。
 しかし、近年、インターネットの普及等に伴い、国外で作成された歯科補てつ物を歯科医師が輸入し、患者に供する事例が見られる。国外で作成された補てつ物については、使用されている材料の性状等が必ずしも明確でなく、また、わが国の有資格者による作成でないことが想定されるが、現在、歯科補てつ物の安全性を担保するような制度がないため、患者に被害が発生することが懸念される。
 よって国会および政府は、国外で作成された歯科補てつ物の安全性を確保するため、法的整備も含め、実効性のある措置を速やかに講じるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成21年10月27日
衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣 内閣官房長官 各あて
大阪府議会議長 朝倉 秀実

この補てつ物の安全性の確保を求める意見書の内容は、全都道府県の議会の総意であろうと思われる。いや、これは国民の歯科医療に対する安心・安全を担保する必須条件であろう。この意見書に対して内閣府は法的整備には手をつけず、前述の2度にわたる「通達」を出したのみである。
 最高裁判決が当事者適格だけで上告棄却したということは、結果的に歯科技工士法の本質に触れることを避けたことになり、実質的に海外で制作されている補てつ物の流通を是認したことになる。したがって、実効性のある措置を求めた意見書の趣旨は宙に浮いたままなのである。

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