補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  その51「プルトニュウムとは何か」  

内藤 達郎
(PSD)日本補綴構造設計士協会 相談役(法律)

原発事故で最大の問題は放射能漏れである。その放射能の中でもっとも怖いものの一つがプルトニュウムとされている。そこでプルトニュウムについて考察する。
 プルトニウムは天然の元素ではなく人工的に作られたものである。1940年末にカリフォルニア大学でウランの原子核に重陽子を衝突させて合成し誕生せた。プルトニウムは冥王星(プルートー)にちなんで命名されたが、冥王(地獄の王)の元素とは今にして思えば実に皮肉だ。誕生後、四年半ほどしてこの元素が原爆として長崎に投下され、地獄を作り出したわけだから。なお、広島に投下れた原爆はウラン型原子爆弾である。
 プルトニウムは強い放射線(アルファ線)を発することから、「エネルギー源」としてのプラス面だけではなく、「毒物」としてのマイナス面も併せ持っている。また、「エネルギー源」として平和利用だけではなく、核兵器として使われる場合には非常な災厄をもたらすことになる。
 天然ウランは、99.3%がウラン238 、 0.7%がウラン235 である。ウラン238 は非核分裂性なので、原子炉の材料となるのはウラン235 の方だ。現在の一般的な原子炉の軽水炉は、ウラン235 を3%程度まで濃縮して使用するのだが、それでもウラン燃料の97%は燃えない(反応しない)ウラン238 が占めている。ところが原子炉の中でウラン238 の一部が、プルトニウム239(核分裂を起こしやすい) に変わる。これを核燃料として再利用(核燃料リサイクル)すれば、天然ウラン資源の利用効率を高めることになる。しかし、ウランと比較して原子炉の中で生成されたプルトニウムの毒性が格段に強く、放射性廃棄物が問題となる根拠がここにあるのである。  現在、ウランの国際価格は安定しているから、プルトニウム利用のメリットはほとんどない。むしろ、核燃料の再処理や、核燃料リサイクルに組み入れる高速増殖炉(もんじゅ)の問題点が浮き彫りになっている。核燃料の再処理は大量に放射能を扱うから、環境への放射能放出も多くて、原発以上に大事故の可能性も否定できない。また、高速増殖炉は安全技術上、大きな問題を抱えており解決の目途が立っていない。
冷却材として高温(約セ氏 500度)で溶けた金属ナトリウムを使うので、ナトリウムは水と爆発的に反応するうえ、大気に触れても燃えてしまう。しかもそれを冷却材として大量に使用することの潜在的危険は大きい。また、炉心に高密度のMOX燃料(プルトニウムとウランの混合酸化物燃料)を使用していることと、沸騰したりすると溶融しやすいナトリウム冷却剤を使用していることから、核爆弾のように暴走爆発する可能性を秘めているのである。
つまりこのMOX燃料を高速増殖炉だけでなく、一般的な原子炉(軽水炉)で使用することは、石油ストーブでガソリンを燃やすことと同じことなのである。これから再稼働される原発では、このMOX燃料が使用されるおそれがあることを警鐘する。

原爆ドーム

内藤達郎撮影

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