補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  その58 「核の傘と核抑止論」  

内藤 達郎
(PSD)日本補綴構造設計士協会 相談役(法律)

世界中の核兵器の数が地球を何度破壊しても余りあるほどに増大したのは、かつての冷戦時代に米ソを中心として世界が核抑止論にとらわれていたことに由来する。日本も日米同盟を軸に国土が攻撃された際には米国の核兵器によって報復をするという拡大抑止つまり「核の傘」に依存していた。
 冷戦中核抑止論が核戦争やその他の通常兵器による紛争の防止に機能していたかどうかは別として、今後の核政策を議論するにあたり、核抑止論が有効であるかどうか現在の国際情勢に照らし合わせて考慮しなければならない。
 冷戦後、米国の脅威の対象は非国家主体のテロリストであり、通常の国家とは性格が異なる。新たに現れた敵テロリストに核抑止は通用しない。なぜなら、核による報復を恐れて相手の先制攻撃を思いとどまらせることに核抑止の意味があるのに対し、テロリストは自らの命を犠牲にしてまで自爆攻撃を挑み、核による報復など恐れないからである。
 このことは、米国が何千発もの核弾頭を持ちながらも2001年9月11日の同時多発テロを抑止できなかったことで証明されている。また、テロリストは自らの所在地を明らかにしないため、核兵器による報復も現実的ではない。実際に米国はアフガニスタンに空爆をしながらも核兵器までは使用していない。 こうした背景から国際社会では核抑止論の有効性が疑われ始めている。キッシンジャーやシュルツなど米国の元政府高官4人をはじめ核抑止論の見直しを迫る意見が表明されている。
 ところが日本の場合、冷戦時代の核抑止論に頼り続ける態度に変化が見られない。次回はその日本のアメリカ偏重外交の深層心理を考えてみます。

「原爆ドーム 冬の落日」

内藤達郎撮影

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