補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  そのF 「歯科技工士法第20条」

内藤 達郎

「歯科技工士は、その業務を行うに当たっては、印象採得、咬合採得、試適、装着その他歯科医師が行うのではなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない」
 この訓示規定である歯科技工士法第20条の解釈についての変遷をたどってみたい。

 昭和34年5月24日最高裁第二小法廷決定が、歯科技工士の免許も有しない被告人が、印象採得・・・等のみならず、いわゆる代診行為を行った事案に対して、「歯科技工法が昭和30年10月15日から施工された後は、同法により歯科技工士の免許を受けた者でなければ、印象採得、試適及びかん入(装着?)の各行為はもとより、義歯または金冠を制作する行為も行うことができないのであるから、被告人が歯科技工士の免許を持たないでかかる行為を行ったことは違法である」と判示している。

 これはつまり、歯科技工士の免許有する者でれば、印象採得などの各行為を行い得るという前提に立った判断と解されるのである。このことは、印象採得、試適その他の行為は、それ自体決して人体に危険を及ぼす行為とは考えられないのである。

 実質的にそのような危険が予想されるのは、疾病、症状を看過し、あるいは不完全・不十分な治療のまま、補綴物の充填・装着が行われることであって、印象採得などの行為自体の危険性はないと思われるのである。

 もしも、完全に治療が行われた後に、印象採得などの行為が行われるのであれば、一定の技術を修得した者によってなされる限り、衛生上危害を生ずるおそれは存在しないと思われる。治療が完了し、かつ適切であるかどうかという診断は、確かに医学上の高度な知識・技術を必要であろうし、これを歯科技工士に委ねることは不適当であろう。それはこの診断が医療行為だからである。
次回は「印象採得は医療行為か?」について述べます。

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