補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  そのG 「口腔医療行為とは何か」

内藤 達郎

医業と歯科医業の競合領域については本編そのEで述べた。それを説明するものとして旧厚生省通達として次のようなものがある。
「歯科医師の免許がなくても、医師の資格があれば咀嚼器官のあらゆる医療行為を行うことができるのである。口腔外科に限らずう蝕の治療、歯肉療法、歯周病の治療などができる資格がある」(昭和24年1月21日医発61)
「歯科医業とは歯科医療行為を業とすることであり、(中略)具体的には、抜歯、う歯の治療、口腔内注射、歯肉切開、印象採得、咬合採得、試適、装着及び矯正治療等の行為がこれに該当する」(昭和43年3月4日医発261)
このことからも医業と歯科医業が競合しているとはいえ、歯を含む口腔の「医療」は本来歯科医師の業務というより医師の業務といえるかもしれない。 つまり歯科医業というものは、「医業と考えられるもの」と「医業ではないもの」という二つの部分から成り立っているようだ。それは歯科医療というものが「医療」と「非医療」という二つの部分を合わせ持つということでもある。
「歯科医療」が医療の一部という概念はおおむねイメージできても、「非医療」の部分とは何を指すのだろうか?
医師の資格ではすることができない「歯科医療」というのは、歯冠修復、欠損補綴、歯列矯正の三つだけである。それ以外の歯科医療は歯科医師の資格がなくても医師の資格があればできる。まさにこれらは合法的に業として行うことができるのである。
それは歯科医師法第34条の1や第36条の1の規定や、前述の旧厚生省医務局長通知からも明らかである。つまり、法律的には歯冠修復、欠損補綴、歯列矯正は「医療」ではなく、そのような「非医療的な行為」が、いわゆる「歯科医療」の特質なのである。
したがって、歯冠修復その他にともなう印象採得は「非医療的な行為」ということになる。
次回は「歯科技工物は医療物か」について述べます。
(この項は飯塚哲夫著「歯科医療とは何か」を参考にしました)

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