補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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たっちゃんの関係法規
  そのH 「マウスピースの通信販売」について

内藤 達郎

今回はトピックとして「マウスピースの通信販売」の問題点と歯科技工士法を考察してみます。
 各種スポーツ関係者の間で「マウスピース」がインターネットを利用して5,000円前後で売買されている。まずヤフーなどのサイトで申し込むと、印象材、練和器セット、トレーセット、模型用石膏などが送付されてくる。申込者は自ら自分の歯型を印象し、石膏を流入し模型を完成し業者に送り返す。2,3日後、「マウスピース」完成品が送られてくる。
 このような行程で個人が入手できるシステムに法的に問題はないのだろうか。

 まずこの「マウスピース」は特定スポーツ用マウスピースとジャンル分けされていて、プロテクターなど防御用品と同じように「スポーツ用品」という扱いになっている。患者に対する治療、補綴、矯正の分野と一線を画すことによって、医療行為でも医療物でもない「非医療」を強調しているようだ。当然このスポーツ専用マウスピースでは保険治療ができない。

 歯科技工士法第18条「歯科医師または歯科技工士は、厚生省令で定める事項を記載した歯科医師の指示書によらなければ、業として歯科技工を行ってはならない」 個人が自分の為に制作するものであるから、「業」という金銭の授受に関係なく反復継続する行為」という定義には抵触しないようだ。またこの防御(プロテクター)扱いになるマウスピースは歯科技工物(補綴、矯正、義歯)の製作に関わる法令には含まれないことになる。

 歯科技工士法第20条「歯科技工士は、その業務を行なうに当たっては印象採得、咬合採得、試適、装着その他医師が行なうのでなければ衛生上危害を生ずるおそれがある行為をしてはいけない」
本人が自分の歯型の印象を採得しても違反性はないが、「衛生上危害を生ずるおそれがある行為」であるか否なかの診断は医療行為の範疇に入ることに留意すべきであろう。なぜならば、この20条は禁止条項ではなく、訓示条項にすぎないからである。
次回は歯科衛生士による「歯みがきサロン」について考察します。

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