補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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中国製よりインド製?
インドが米国人にアピールする理由

トレンド・ジャーナリスト  Chimaki Nukui

米国でも中国製品に対する不信感は広がっている。
その隙をついてシェア拡大を狙っているのがインドだ。

「米国人は中国製よりインド製を好むと『フォーチュン』誌報道」という見出しが、インド英字新聞「ヒンズー」に出た。「米国人の多くはインド製品を嫌がらないが、中国製品の場合はその逆だ」と記事は始まる。
 フォーチュンの「報道」とは1月に同誌が実施した調査のことだ。世界の各地域を挙げ、「この地域で作られた製品を購入したいかしたくないか、製品がこの地域で作られたことを気にするか?」と質問。結果、インドを「気にしない」が52%に対して中国は30%。インド製品を「購入したくない」が35%に対して中国は57%だ。
 インドと中国は過去に紛争があり、今でも双方に対抗意識がある。
 国際通貨基金(IMF)が発表した経済成長率を比べると、昨年は中国が1位で11.4%、インドは2位で8.9%(いずれも推定値)。また、購買力平価ベースGDPでは、EU、米国、中国、日本に続いて、インドは5位(2007年CIA発表)となっている。「インド製品は好まれる」という報道は右肩上がりの数値に裏づけされており、インド側の勝手な思い込みではないようだ。
 「実際に手にする輸入品はまだ少ないが、インド製品を米国人が好むのは興味深い」と語るのは、発展途上国の経済問題に詳しいペンシルバニア大学ウォートンスクールのマウロ・ギレン教授だ。
 同教授によると、米国でインド製品が好かれる最も大きな理由は、中国製品のような品質不安がないこと。インドから米国への輸出品はアパレル製品、家庭用品などだが、近年のリコールはこれらの製品から出ていない。かたや”毒入りドッグフード””鉛入りオモチャ”など、中国製品はリコールと隣り合わせだ。
 また、米国とインドには意外に共通点が多い。ともに昔は英国の植民地。法体系や社会規範が似通う上に、言葉も共通。インドからは技術やコンサルティングなどの「サービス」も米国に売れる。今やメーカーのコールセンターへの電話はインドで受けられるのが普通だ。こうしたインド人との交流が、彼らへの信頼性につながっている。
 周囲の米国人に聞くと、中国の「一人っ子政策」への反発が強かった。”子供を持つ”という基本的な人権を規制する一党独裁国家が信用できないという。中国は「宗教の禁止」「言論規制」と、米国人が誇りにする「自由」を否定して成り立っているようなものだと感じている。
 「中国が共産主義のまま成長を続けることには限界がある。そこに米国人にとって比較的身近なインドが切りこみつつあるのでは」とギレン教授は語る。トラブル続きの中国製品が自滅していく隙をついて、インド製品がこれからの売れ筋になるのかどうか。

日経ビジネス Associe 2008年4月1日掲載
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